From Here to Norway

ノルウェーに留学していた大学生のブログです。感想・意見などお気軽にお寄せください。

ノルウェーの滞在許可申請について

予告どおり、今回は滞在許可の申請方法について説明したいと思います。他の滞在目的でも手順はそれほどかわらないとは思いますが、この記事は志願者が学生であることを前提に書かれています。

 

ノルウェーに入国する際ビザは必要ありません(パスポートのみ)が、3か月以上の滞在を希望する場合は滞在許可の申請をする必要があります。出国前に日本国内で諸手続きを済ませ必要書類一式を東京のノルウェー大使館に手渡し6月末までに(後述)提出、ノルウェー入国後に現地の警察を訪問(事前の予約が必要です)し滞在許可証を発行してもらうという形になります。以下が必要な書類です:

  • パスポート原本と、すべての使用済みページのコピー
  • 署名済みのcover letterとchecklist(2.で解説)
  • 白背景パスポートサイズの写真2枚(写真機ではなくカメラのキタムラなどお店で撮るのがオススメです)
  • 受け入れ先大学の入学許可証
  • 資金証明の書類(3.で解説)
  • 現地での住居(学生寮など)の住所が記載された書類

(The Norwegian Directorate of Immigration (UDI)より)

では手順を解説していきたいと思います。

 

    1. まずは出願先の大学から入学許可証を受け取ります。UDI(ノルウェーの入国管理局)によれば6月末までに東京のノルウェー大使館に書類を手渡しで提出すれば8月15日(一般的な始業日)に間に合うように処理するとのことですので、受領次第すぐに準備に取り掛かりましょう。東京よりも神戸のほうが近いよ、という方は神戸のノルウェー領事館を訪問し本人確認証明書を受け取った後、その確認証明書を含めた書類一式を東京のほうに郵送する方法もあります。(4.で解説)
    2. UDIのApplication Portalに登録します。Create new user accountをクリックし、必要事項を入力しましょう。f:id:NightsMadrigal:20170911012556p:plain登録が完了したら、次はWant to apply→New application→Application form for citizens of all countries→Studiesと進み、再び必要事項を入力します。

      f:id:NightsMadrigal:20170911013105p:plainノルウェーでの住居を書く欄がありますが、まだ決まっていなければ大学など受け入れ先の住所で大丈夫です。記入が終わったら、最後に申請料3200 NOK(ノルウェージャンクローネ、2017年9月現在で約45,000円)を払います。

      f:id:NightsMadrigal:20170912230613p:plainこれでオンライン申請は終了です。cover letterとchecklistを忘れずに印刷し両方にサインしましょう。DUF Numberは空欄でOKです。

    3. 銀行口座の残高証明書を発行します。ここで注意しないといけないのが、この証明書はノルウェーで開設された銀行口座のものである必要があるという点です。しかしながら、日本人はこの時点ではノルウェーの銀行口座を開設することはできません。そうです。矛盾しています。そこで、「一旦大学が指定した口座に所定の金額を入金(海外送金)し、大学側から『この学生はちゃんとノルウェーで暮らせるだけの口座残高があるよ』といった内容の証明書をもらう」という形をとります。のちに現地で開設した口座ににこのお金が送金され、そのまま生活費として使うことになります。海外送金の注意点として、口座名などにアルファベット以外の文字が使えないということです。ノルウェー語にはA~Zに加え3種類の特殊文字(æ、ø、å)があり、これらはアルファベットを組み合わせて代替する必要があります。以下が置き換え表です:

      æ → ae

      ø → oe

      å → aa

       送金後は大学からの連絡を待つのですが、これがまた遅いです。僕の場合6月15日に送金したのですが、10日以上たっても返事がありませんでした。(正直もう少し早く行動していればよかった話かもしれませんが)前述の通り6月中にはノルウェー大使館に送らないといけないので、「さすがにこれはヤバイ」と思い受け入れ先大学に電話したところ「え、送金してくれた?10日前?あーちょっとチェックしてみます、確認が取れ次第資金証明の書類を送りますねー」とのこと、、、そして次の日には無事メールで書類が送られてきました。初めての海外送金ということもあり何かトラブルにでも巻き込まれたのかと思いましたが、単に確認してなかっただけかい

    4. 書類がすべて揃ったら、東京のノルウェー大使館を訪問し提出します。訪問の際は必ず事前に電話かメールで予約を取りましょう。また前述のとおり神戸のノルウェー領事館にて本人確認書類を受領し、それを含めた書類一式を東京の大使館に郵送することもできます。以下が手順です:

      1. オンライン申請を済ませる。
      2. 本人確認スキーム利用資格を有し在神戸総領事館で本人確認を希望する場合、在神戸総領事館に本人確認証明書発行のための予約を入れる。連絡先はこちら
      3. パスポート原本を持参し、手数料3300円を支払い、本人確認証明書(Verification Certificate)を受け取る。
      4. 以下の滞在許可申請に関わる書類を全てノルウェー王国大使館(東京)へ送付。
        • 本人確認証明書 (Verification Certificate)
        • 切手付返信用封筒(パスポート返却用と書類原本用のため簡易書留相当額の切手を添付のこと)
        • パスポート原本
        • チェックリストに沿って準備された書類*
          *パスポート(顔写真と使用済みページ)のコピー
        • 原本返却希望の場合、そのコピー
      5. 申請書類チェック完了後、大使館はパスポート原本を申請者に返却。申請書類は大使館を通じてノルウェー入国管理局(以下、UDI)へ送付。
      6. ノルウェー王国大使館(東京)よりUDIから届いた審査結果通知をオンライン申請上で登録されたEメールアドレス宛に通知。審査には相応の時間がかかります。
      (駐日ノルウェー大使館より)
    5. 現地の警察にいつ訪問するかの予約を取ります。が、大体は受け入れ先大学が予約を取ってくれ、○月○日に留学生全員で警察を訪問するというパターンが多いようです。不明瞭なようであれば一度大学側に問い合わせてみてください。
    6. あとは大使館からの返事を待ちます。万が一申請が拒否されたら(大体書類の不備とかだと思います、犯歴があるとかなら別ですが)不服申し立て書を書きましょう。横書きの便箋に英語で適当に言い訳を書きます。きちんと伝わる英語であれば語彙などはあまりアカデミックなものでなくても大丈夫です。なにより大切なのは、申請が拒否されても焦らないことだと思います。初めに6月末までに提出とありますが、ノルウェーは3か月までなら滞在許可は不要なので最悪現地で申請すればいいです。

これで日本での手続きは終了です。

滞在許可の申請はノルウェー留学において最難関と言っても過言ではないステップかと思いますので、前回同様分からないことがあれば是非気軽にコメントをお寄せください。できる限り尽力いたします。

Freemover制度でのノルウェー留学について

さて、ここから数回は留学制度に関する記事を投稿したいと思います。今回は出願について。

 

ノルウェー留学の最大の魅力は何と言っても学費がタダということはないでしょうか(2017年9月現在での情報であり、今後制度が変更される場合も考えられます。ご了承ください)。国籍にかかわらず公立大学はすべて無償なのです(私立は有償です、結構高いです)。

僕が利用したのはFreemoverという制度で、これは日本の大学と提携を結んでいなくても出願する事が出来るというものです。大学によって多少規程が異なるかと思いますので、詳細は各大学のウェブサイトをご覧ください。

 

基本的に授業はノルウェー語または英語で行われ、前者に関しては出願の際にノルウェー語の能力証明を提出する必要があります。後者であれば英語の能力証明(TOEFL iBTなど)のみで大丈夫です。また半年~1年の留学ではなく学位が授与されるフルセメスター(3年)での正式な入学を希望する場合は、まずはじめにノルウェー語学習コースを受講し(1年)、その後3年間ノルウェー語で授業を受ける、といったことも出来るようです。

 

肝心の必要とされる英語能力ですが、これも大学によって大きく異なります。僕の出願したVolda University College(Volda大学)はTOEFL iBTで60以上と記載されてますが、おそらくノルウェーで元も有名な大学であろうUniversity of Osloは最低108必要です。

ちなみに一般的に受験した機関外では効力がないとされるTOEFL ITPですが、有効な場合があります。事実Volda大学はそうでした。僕は出願の為だけにiBTを受験したのですが、あとから同じ留学生に聞いたところ「え?私ITPで大丈夫だったよ?」と、、、

ただ繰り返しますが、基本的にTOEFL ITPは有効な英語能力証明としてみなされません。Volda大学はレアなケースなのかもしれません。なので出願前に一度大学に問い合わせてみるのがいいかと思います。メールはなかなか返事をよこさないので電話がおすすめです。

 

出願は僕の場合メールにファイルを添付して送りました。5月15日が締め切りで、留学許可が下りたのが5月末だったかと思います。しかしながら彼ら、よくも悪くものんびりしています。僕は諸事情で前述のTOEFLのスコアレポートを提出したのが5月21日頃だったのですが、特に問題なく普通に留学許可証が送られてきました(日本だったら締め切り日時を過ぎると一切受けとってくれませんよね...いやむしろそれが普通だと思うのですが)。なので出願に関してあまり焦る必要はありません。無論早く行動するに越したことはないのですが。

 

次回は滞在許可申請について解説したいと思います。わかる範囲であれば積極的に答えていきたいと思いますので、ぜひお気軽にコメントをお寄せください。

ブログ開設

はじめまして。茄子と申します。現在ノルウェーに留学中の大学生です。

その充実した福祉制度や、今年度(2017年)の世界幸福度ランキングで1位を獲得したということもあり近年名前の挙がることも多くなってきたノルウェーですが、いまだその文化や生活様式についてはあまり情報が多いとは言えず(と思います)、具体的にどのような国なのか、と聞かれると返答に困ってしまう方も多いかと思います(いや偉そうに言ってますが、僕もあんまりわかっていません)。

というわけで、本ブログでは日本人留学生の目線からノルウェーの特徴・魅力なんかを適当に発信できればと考えています。よろしくお願いします。